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一般社団法人住まい管理支援機構 会員様メルマガ No.397
人生最大の買い物を”負の遺産”に変えた住宅政策の失敗
【「見えない性能」が住まいの未来を決める】
なぜ気密性能(C値)は資産価値と快適性の鍵なのか
住宅の性能について考えるとき、多くの人がまず思い浮かべるのは「断熱性能」ではないでしょうか。窓のペアガラスや壁の断熱材といった目に見える部材は、家を暖かく、あるいは涼しく保つために不可欠です。
しかし、どれだけ高性能な断熱材を使っても、その効果を最大限に引き出すためには、もう一つの重要な要素が欠かせません。それが「気密性能」です。
◆断熱性能だけでは不十分な理由
断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)は、建物の外壁や屋根、窓といった「外皮」から熱がどれだけ逃げにくいかを表す数値で、設計段階で計算できます。一方、気密性能を示すC値(相当隙間面積)は、家全体の隙間面積を延床面積で割った数値で、実際に家が完成した後に測定しなければなりません。
この二つの性能は、車の両輪のような関係にあります。断熱材で熱の移動を抑えても、家中に隙間だらけでは、冷暖房した空気が隙間から逃げ出し、外の空気がどんどん侵入してきます。まるで、セーターを着ていても、隙間風が吹き込むのと同じ状態です。これでは断熱材の効果は半減し、快適性も損なわれ、無駄なエネルギーを消費することになります。
◆ 気密測定はなぜ重要なのか?
気密測定は、完成したばかりの家で行われる「健康診断」のようなものです。専用の機器で家の中の空気を強制的に排出し、家と外の間に気圧差を意図的に生み出します。このとき、もし家に隙間があれば、気圧差によって外の空気が勢いよく入り込んできます。
測定器は、その時の空気の量から、建物の「隙間」がどれくらいの大きさになるかを正確に算出し、C値として示します。C値の数値が小さいほど、隙間が少なく、高い気密性能を持っていることを意味します。一般的に、C値1.0以下が高気密住宅の目安とされ、0.5を下回ると非常に高いレベルと言えます。
この測定作業は、数値を出すだけでなく、施工精度を確認する上でも重要です。もしC値が悪ければ、現場で隙間を特定し、気密テープやシートで丁寧に埋める作業が行われます。これは熟練した技術を要し、手間と時間がかかるため、この作業を丁寧に行う工務店は高い技術力を持っている証拠になります。
◆ 気密性がもたらすメリットと業界の現状
高気密・高断熱の家がもたらすメリットは多岐にわたります。隙間風を防ぐことで冷暖房の効率が向上し、光熱費を削減できます。また、外部からのホコリや花粉の侵入を防ぎ、カビやダニの発生も抑えるため、健康的でクリーンな室内環境を保てます。さらに、湿気の侵入を防ぐことで建物の劣化を抑え、長寿命化にも繋がります。
これほど重要な性能にもかかわらず、現在、すべての家で気密測定を実施しているハウスメーカーや工務店はごく一部に限られています。その主な理由は、手間とコストがかかること、そして施主自身がその重要性を十分に認識していないことです。
◆ まとめ
住宅の気密性能は、快適性、省エネ、そして長期的な資産価値を左右する非常に重要な要素です。にもかかわらず、現状ではその基準が法的に定められておらず、全棟で気密測定を行う事業者は限られています。だからこそ、これから家を建てる施主自身の知識が鍵となります。「C値はいくつを目指していますか?」「全棟で気密測定を実施していますか?」といった質問を投げかけ、未来の暮らしを守る第一歩を踏み出しましょう。
参考:PRESIDENT Online 記事(8月18日)
住宅がこれほど資産にならないのは日本だけ…人生最大の買い物を”負の遺産”に変えた住宅政策の失敗
一般社団法人住まい管理支援機構 事務局
2025/08/20
人生最大の買い物を”負の遺産”に変えた住宅政策の失敗
【「見えない性能」が住まいの未来を決める】
なぜ気密性能(C値)は資産価値と快適性の鍵なのか
住宅の性能について考えるとき、多くの人がまず思い浮かべるのは「断熱性能」ではないでしょうか。窓のペアガラスや壁の断熱材といった目に見える部材は、家を暖かく、あるいは涼しく保つために不可欠です。
しかし、どれだけ高性能な断熱材を使っても、その効果を最大限に引き出すためには、もう一つの重要な要素が欠かせません。それが「気密性能」です。
◆断熱性能だけでは不十分な理由
断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)は、建物の外壁や屋根、窓といった「外皮」から熱がどれだけ逃げにくいかを表す数値で、設計段階で計算できます。一方、気密性能を示すC値(相当隙間面積)は、家全体の隙間面積を延床面積で割った数値で、実際に家が完成した後に測定しなければなりません。
この二つの性能は、車の両輪のような関係にあります。断熱材で熱の移動を抑えても、家中に隙間だらけでは、冷暖房した空気が隙間から逃げ出し、外の空気がどんどん侵入してきます。まるで、セーターを着ていても、隙間風が吹き込むのと同じ状態です。これでは断熱材の効果は半減し、快適性も損なわれ、無駄なエネルギーを消費することになります。
◆ 気密測定はなぜ重要なのか?
気密測定は、完成したばかりの家で行われる「健康診断」のようなものです。専用の機器で家の中の空気を強制的に排出し、家と外の間に気圧差を意図的に生み出します。このとき、もし家に隙間があれば、気圧差によって外の空気が勢いよく入り込んできます。
測定器は、その時の空気の量から、建物の「隙間」がどれくらいの大きさになるかを正確に算出し、C値として示します。C値の数値が小さいほど、隙間が少なく、高い気密性能を持っていることを意味します。一般的に、C値1.0以下が高気密住宅の目安とされ、0.5を下回ると非常に高いレベルと言えます。
この測定作業は、数値を出すだけでなく、施工精度を確認する上でも重要です。もしC値が悪ければ、現場で隙間を特定し、気密テープやシートで丁寧に埋める作業が行われます。これは熟練した技術を要し、手間と時間がかかるため、この作業を丁寧に行う工務店は高い技術力を持っている証拠になります。
◆ 気密性がもたらすメリットと業界の現状
高気密・高断熱の家がもたらすメリットは多岐にわたります。隙間風を防ぐことで冷暖房の効率が向上し、光熱費を削減できます。また、外部からのホコリや花粉の侵入を防ぎ、カビやダニの発生も抑えるため、健康的でクリーンな室内環境を保てます。さらに、湿気の侵入を防ぐことで建物の劣化を抑え、長寿命化にも繋がります。
これほど重要な性能にもかかわらず、現在、すべての家で気密測定を実施しているハウスメーカーや工務店はごく一部に限られています。その主な理由は、手間とコストがかかること、そして施主自身がその重要性を十分に認識していないことです。
◆ まとめ
住宅の気密性能は、快適性、省エネ、そして長期的な資産価値を左右する非常に重要な要素です。にもかかわらず、現状ではその基準が法的に定められておらず、全棟で気密測定を行う事業者は限られています。だからこそ、これから家を建てる施主自身の知識が鍵となります。「C値はいくつを目指していますか?」「全棟で気密測定を実施していますか?」といった質問を投げかけ、未来の暮らしを守る第一歩を踏み出しましょう。
参考:PRESIDENT Online 記事(8月18日)
住宅がこれほど資産にならないのは日本だけ…人生最大の買い物を”負の遺産”に変えた住宅政策の失敗
一般社団法人住まい管理支援機構 事務局
2025/08/20
